11月30日(水)から、西武池袋本店7階「くらしのぎふと」にて、「角漆工 POP UP SHOP」が開催されます。今回は、角漆工、角光男さんの工房にお邪魔して、お話を伺ってきました。
根強いファンも多い、角さんの作品の魅力を紐解いていきます!
――角さんは、「世の中に1つしかないもの」を作ることを志していらっしゃると伺いました。そのきっかけとなった出来事はありますか?
約30年前、とあるデパートにて修理の承りで出店したことがありました。修理の過程で余った漆を、遊び半分でうつわに塗ってみたんです。そのまま非売品の棚に置いていましたが、お客さまから「販売しないのか」とお声掛けをいただきました。その場で値段をつけてくださったので売約済の棚に置いておきましたが、さらに別のお客さまも「これが欲しい」と。喜んでもらえるものが良いものなのだと、感じた出来事でした。
――作品を作られている中で、他にこだわっていることは何ですか?
国産の漆を使うことですね。良いもの、丈夫なものを作るために、使い続けています。なめらかに塗るのは非常に難しいので、薄く、何回も何回もこするようにして塗り重ねていきます。日本の漆の生成技術は高く、質も良いので仕上がりが非常に良くなるんですよ。
――今まで漆器を作られてきた中で、印象に残っている作品はありますか?
特定の作品というわけではありませんが、昔作ったものの修理依頼を受けるのは感慨深いものがあります。もう30年続けていますので、たまに20年前に作ったものの修理依頼がくると、身内が戻ってきたみたいな感覚になりますね。
――今後、「こういうものを作りたい」という構想がありましたらお伺いしたいです。
うつわ以外でも、何か漆で役に立つものを作りたいですね。漆には抗菌作用があるので、その作用を生かした何かを作りたいと考えています。
作品を作る際に私が大事にしているのが、「捨てない発想」です。遊びでつくったものが作品作りに繋がっていったように、そういったものからいつか、人間の役に立つものへと反映できたら良いと思います。
――最後に、11月末からの期間限定ショップを楽しみにしているお客さまへコメントをお願いいたします。
ぜひ、店頭で実際に商品を触ってみてください。同じ商品でも、人によって感じ方は異なってきます。自分がそのうつわを触ってみてどう感じるか、直に体感していただきたいと思います。
うつわの工房をお邪魔したのは、今回が初めてだった私どんぐり。作品が生み出される場所というのは、とてもエネルギーに満ちた空間だなと感じました。角さん、ご協力いただきありがとうございました!
期間限定ショップは、11月30日(水)からスタートです。漆の手触りを体感しに、ぜひ池袋へお越しください!
【東京都】角漆工 POP UP SHOP
■日程:11月30日(水)〜12月6日(火)
■会場:西武池袋本店 7階(北B2)=くらしのぎふと
※最終日12月6日(火)は当会場のみ、午後5時に閉場いたします。
★おまけ画像★
捨てずに取っておいたという漆で、花や木の実などをコーティングした飾りがたくさんありました。どんぐりを漆でコーティングしたものがあったのでパシャリ📷複雑な模様がとても美しかったです。