山中漆器をプロデュースされている大島太郎さんへのインタビュー第2回は、デザイナーとのコラボ、「Oプロジェクト」についてお話を伺いました。
「漆工房 大島」と石川県内のデザイナーがコラボした「Oプロジェクト」。その始まりは大島さんが漆器の講師を依頼されたデザインセンターでの勉強会でした。完成した作品をそのままにしておくのはもったいないと展示会に出展することとなり、そこからプロジェクトに発展しました。
「Oプロジェクト」からは、ユニークなうつわが多く誕生しています。卵かけごはん専用のうつわ(トップ画像)や食べ終わったら桜の模様が見えるうつわ、ビアカップと、ビールの泡を模した蓋兼コースターなどがデザイナーとのコラボレーションによってつくられてきました。このプロジェクトがきっかけでデザインオフィス「nendo」との取り組みが始まり、ミラノ万博へも繋がりました。大島さんにとっても、デザイナーさんとの取り組み方の勉強になったといいます。
「デザイナーさんは職人とは違う視点を持っているので、今まで考えなかったような方向からも提案がきます。コンセプトとラフスケッチだけ持ち込まれる方もいるので、デザイナーさんと一緒になって楽しんでつくることが多いです。」
デザイナーさんには職人さんにない視点があるように、職人さんにも、デザイナーさんにない視点があるといいます。大島さんからも「離乳食用のうつわでは、ふたと本体の素材をわけたら良いのでは」や、「卵かけごはん専用のうつわなら、木でつくった卵を一緒に販売したら面白いのでは」などの提案を行い、それぞれの視点を持ち寄りながら、新しいものを作り出していくのです。
次週インタビュー最終回は、職人育成についてのお話をご紹介します。
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