今回は日本酒プロデューサーの上杉孝久先生への取材の後編です。 池袋コミュニティカレッジで開催された「日本酒新発見!」の講座終了後に少しだけお時間を頂くことができましたので、インタビューをさせていただきました!ぜひご覧ください!
ー今回は講座から取材させていただきましたが、とても楽しい時間であっという間でした!上杉先生が講師として意識されていることは何でしょうか?
上杉孝久先生(以降、上杉先生):やはり楽しく学んでもらうということですね。専門的な酒造りの方法から説明していっても、つまらないと思うんです。いきなり難しいことを話しても、引いてしまうんですよ。参加者が寝てしまっていたり…そういった光景をイベントなどで数多く目にしてきました。
ー日本酒酒蔵巡り区では、日本酒と合わせる料理に関する声をよくいただきます。料理と合わせるときのポイントなどを教えていただけますか?
上杉先生:この料理にはこう合わせるというポイントはありますが、やはりそれぞれの料理によって違うので一言では難しいですね。日本酒の成分は、細かく分けると約400種類の酸が入っています。酸の種類が多いということは、さまざまな味と組み合わせしやすいということ。つまり色々な料理と合わせやすいということになります。適応性が高いので、組み合わせを探すのが面白いところでもありますね。
ー地域で言うと、秋田県のお酒が好きという方が非常に多いです。秋田県のお酒について先生はどう思われますか?
上杉先生:人気のある蔵元が牽引していますよね。雑誌のインタビューなどでも数多く見かけます。もともと秋田県はいいお酒を造っています。麹の研究所などもあり、お酒に対して意識が高い地域なんでしょうね。もちろん美味しいお酒を造っている酒蔵は全国にたくさんありますが、勉強熱心な県民性がお酒の味にもつながっているのかもしれません。
ー先日行ったアンケートでは、甘口のお酒に対して熱意のあるコメントを数多くいただきました。辛口の方が得票数は多かったのですが。先生は甘口のお酒についてはどうお考えですか?
上杉先生:日本酒は甘くて美味しいものですよ。日本酒の甘味というのは、アミラーゼという成分がお米を甘く分解したときに生まれるものです。つまりお米からくる甘味なんですね。日本酒業界も辛口ブームはありましたが、お米本来の甘さを味わえる甘口の日本酒の良さも楽しんでもらいたいと思います。
今は会社の飲み会が減っていますが、仲の良い人と日本酒を楽しむ方は増えているように感じます。自由に楽しく飲んでいるというのが一番ですよね。そうやって日本酒のすそ野が広がっていけば嬉しいです。
上杉先生、どうもありがとうございました!私も日本酒酒蔵巡り区を通じて、日本酒の良さを少しでも広めていけるようにしていきたいと思います。今後さらに楽しい区にしていけるよう、皆さまのご協力もよろしくお願いいたします!
■池袋コミュニティカレッジ「日本酒新発見!」
●講座内容
日本酒は、古来重要な日本文化のひとつでした。そして今や世界が注目する『SAKE』となりました。酒の文化史・料理との相性・健康との関わりなどを、現代の日本酒を味わいながら学びます。 ※食材を準備しているため、キャンセルの際、教材費をご返金できない場合がございます。
●講師
上杉孝久:上杉謙信公を先祖に持つ米沢新田藩、上杉子爵家九代目当主。日本酒・歴史を含めた講演は年100回を超える。【著書】 「いいね!日本酒」(WAVE出版) 「日本史がおもしろくなる日本酒の話」(サンマーク出版)「日本酒的趣味研究社」(中国語版)
※飲酒運転ならびに20歳未満の方の飲酒は、法律により禁じられています。