今回は気仙沼の地酒「蒼天伝」でおなじみ、男山本店の村上さんにインタビューをいたしました。男山本店のこだわりや歴史、おすすめの一本などを伺いました。
気仙沼の良さを酒造りで伝える
男山本店の創業は1912年、蔵は日本有数の港町・気仙沼にあります。自然豊かで空の蒼さも、海の蒼さも美しい場所です。百年を超える酒蔵の歴史は、いつも街と共にありました。震災の日から10年以上が経ち、街は新しい風景に変わりつつあります。この街で酒造りを続けることが、気仙沼の良さを皆様へ伝えることと同じだと信じて続けております。
気仙沼市は豊富な海の恵みと山の恵みを活かし、自然と食を楽しめる街です。年間通して楽しめるフカヒレ、初夏からは生鮮鰹、夏からはウニやホヤ、秋にはサンマ、冬にはアワビや牡蠣、メカジキ、ワカメのしゃぶしゃぶなど。ぜひ季節に合わせた食材と共に、気仙沼の地酒・蒼天伝を楽しんでください。
おすすめは「力強さ」と「フレッシュさ」
代表銘柄である蒼天伝の中でも、私のおすすめは「蒼天伝 特別純米酒 滓がらみしぼりたて生原酒」です。原料米は、低タンパクで癖のない宮城県産「蔵の華」を100%使用しています。蔵でしか味わえない原酒無調整の力強さと、生原酒らしいフレッシュな味わいをそのまま瓶詰めいたしました。搾りたてならではの爽快な果実のような香りと呑み心地のよい甘味、スッキリとした軽やかな後味が特徴です。特に今年は軽やかな口当たりで、原酒とは思えないほどの飲みやすさです。
お酒は日本人の知恵と技と魂の結集であり、そして風土の産物です。私たちの脳裏にいつも浮かぶのは、飲み手として待っていてくださる方々です。お酒は人間の喜怒哀楽すべての場面に関わるものですから、様々な思いで飲まれる皆様のために心を込めて酒造りをおこなってまいります。