今回は秋田の地酒「天寿」「鳥海山」でおなじみ、天寿酒造の社長・大井建史さんにインタビューをいたしました。天寿酒造のこだわりや歴史、大井社長おすすめの一本などを伺いました。
192年の歴史を持つ酒蔵
令和3年、天寿酒造は鳥海山の登山口の町・矢島に創業以来192年目を迎えました。矢島町で造る酒は江戸の藩政時代から矢島酒と称され、戦前には7件の造り酒屋がありました。母なる鳥海山の清冽な伏流水を仕込水に地元の米を原料米とし、この土地で出来る最高の酒を目指して代を重ねてきました。
私が社長を継いだのは1999年です。当時は焼酎ブームやワインブームで日本酒の需要が手の打ちようも無い程の激減期でしたが、色々思い惑いながらも造り酒屋とは何か?代を継ぐとは何か?を考え、基本に戻る事が出来たと思います。長い年月造り酒屋を続けてこられたのは、美味いと言って頂ける品質の酒を造り続け、さらにその時代・時代に合った革新を重ねる事が出来たからだと考えています。
大井社長おすすめの一本
私のおすすめの一本は「純米大吟醸 鳥海山」 です。 こちらは大吟醸にしては酸が強いため、 食事によく合う純米大吟醸です。香りと味のバランスがよく、脂の多い料理などとも合わせやすいのも特徴ですね。ワインを思わせるその風味は、海外品評会からも高い評価をいただいております。毎年毎年磨き上げたその味を、ぜひ堪能していただきたいと思っています。
我々は人・水・米にこだわり、この地で出来る最高の酒を目指しています。一つ一つの事柄・工程に、もう一つ上を目指す気合がこもっています。山中の小さな酒蔵に目指せる事は「もう一つ上」をやり続ける事。ぜひご注目をお願いいたします。