今回は奥能登の地酒「宗玄」でおなじみ、宗玄酒造の栃平さんにインタビューをいたしました。宗玄酒造のこだわりや、栃平さんおすすめの一本などを伺いました。
奥能登最古の酒蔵
宗玄酒造の祖先は戦国時代、七尾城主を務めた畠山義春の一族です。1557年に上杉謙信の城攻めに遭い、この珠洲に逃れて宗玄と改姓し、1768年に酒蔵を興しました。以来、地元杜氏が地元の水と米を使い、地元の人々のためにコツコツと旨い酒を醸してきました。
「昭和蔵」と「平成蔵」
蔵では平成10年に、従来の明和蔵に隣接して鉄筋5階建ての平成蔵を新設しました。そのため蔵では、造り慣れた普通酒や本醸造は従来の明和蔵で、高品質化を図る吟醸酒、純米酒などの高級酒を平成蔵で造るという分離生産にしました。平成蔵では仕込みタンクを小型化し、仕込みから貯蔵まで徹底した冷房設備を完備しました。生産量が減りコストがかかっても旨いお酒を造るという思いでいます。
もち米を使用した「4段仕込み」
私のおすすめは「宗玄 新酒 しぼりたて生原酒」です。多くの日本酒は3回に分けて仕込むのですが、こちらは4回に分けて仕込み、4回目でもち米を使用するのが特徴です。しぼりたてで濃厚な、甘みがあってキレのよい飲み口です。50年以上も前から販売している人気商品で、飲みやすいお酒ですよ。
宗玄酒造は奥能登珠洲で、酒造り250年能登最古の蔵元です。地元杜氏が手間ひまをかけて丁寧に醸し、力強い味わいですっきりと切れるお酒です。宗玄酒は食中酒と考えておりますので、あらゆる料理と合わせることで料理もお酒も美味しく楽しんでいただけたらと思っております。