今回は、京の銘酒「神蔵KAGRA」でおなじみの松井酒造の若女将、松井さんにお話を伺いました。松井酒造のキーワードは「復活」です
2009年に酒造りを再開
当社は江戸時代に創業し、約300年京都でお酒造りを続けてまいりました。たくさんの寺社仏閣よりご用達を頂戴し、現在もお酒を仕込んでいますが、昭和の終わりから40年ほど、地下工事の影響によりお酒造りが出来ない時期がありました。その後2009年に先代の当主が酒蔵の復活を決断し、東京にいた当代を呼び寄せました。幸い井戸水の問題は解消されており、良質な水であることが確認できたため、酒造りを再開させることが出来ました。
酒造りの復活にはたくさんの人に相談に乗っていただき、助けていただきました。そんな経緯があり、私共にとってお酒造りはとても大切なお仕事です。お酒が人と人との縁を結び、悲しいとき、喜ばしいとき、いろいろなシチュエーションでお供できればと考えております。
復活の米を使った復活の蔵
復活できたことは神様からの贈り物と考え、その意味も込めて復活のお酒の名前は「神蔵(かぐら)」にしました。私のおすすめの一本は、「純米 神蔵KAGURA 無濾過生原酒」です。こちらのお酒は「祝米」という、京都ならではのお米を使っています。祝米は溶けやすく、風味がよく出るのが特徴です。ただし稲穂の背が高いため風の影響を受けやすく、1本の稲穂から獲れる量も少ないため農家泣かせの面もあります。そのため戦後と昭和の終わりに2回も途絶えていたのですが、そのたびに復活しています。私たちの蔵と似ているような気がしますね。
インタビューは次回に続きます。
※20歳未満の方の飲酒は、法律により禁じられています。