鎧塚シェフへのインタビュー 後編です。
■ベストパフォーマンスを出すためにシェフが取り入れている「ルーティン」を教えてください。
-私は仕事で良いパフォーマンスをしっかり発揮することを中心に考えています。昔は寝ないで仕事をしたこともありましたが、今は「早寝、早起き」。午前5時くらいに起きてやるべきことをやり、午後11時に寝ています。
他のショコラティエや人によって違うと思いますが、私は夜更かしをしていると仕事のパフォーマンスが落ちてしまうのです。
■もう一つのルーティン「スタッフの育成」
-また、チームで仕事をしているので、スタッフの育成にも重点をおいて取り組んでいます。オープンして19年になろうとしていますが、1年目、2年目に入った、まさに全員が必死に働いていた初期のメンバーがかなり残っていて、現在は主軸となっています。
私は海外に渡航したり、社会貢献活動なども多く行っていますが、このようなことが最終的にはお菓子作りに返ってくると信じています。そういう活動が出来るのも、主軸となっている社員がいるおかげです。
うちの会社も働き方改革をきっちりと行っています。また、働き方改革だけではなく良い職場を創る。そして売り上げを伸ばししっかりとした利益を出す。それをスタッフに還元する。こういうことが良いチョコレート作りの一つのルーティンといえるのではないでしょうか。
■鎧塚シェフが好きな「チョコレート」をおしえていただけますか?
-私自身は発酵の甘い、ロースト時間の短い荒々しいチョコレート、粒子も荒々しく雑味もあるものが気に入って食べていますね。
■チョコレートへの思いの変化
-世の中には神様の様に思っているショコラティエの方々が大勢いらっしゃいます。私は昔、自分がショコラティエになっても、そういった方々に太刀打ちできないと思っていました。なぜなら、日本にショコラティエがいない時代から、フランスやベルギーなどでずっとショコラティエとしてやっていた方々のチョコレートが大好きでしたから。
でも、働いていくうちに「私も職人であり、人に製品を提供する人間としてそれではいけない」ということを思い出したのです。
今は自信をもって「これが自分のチョコレートです。」というショコラを作りお客さまに食べていただこうと思っています。
■来年度のバレンタインに向けた構想をチョコ愛区のユーザーにおしえてください。
-2023年のバレンタインは「Respect for Produce and Producers」(農作物と生産者に尊敬を)ということを大きなテーマでやらせていただきました。
一年間やってみてとても楽しかったので、来年は楽しんじゃおうよ、ということで「Let’s Enjoy chocolat!」(ショコラを楽しもう!)をすべてのチョコレートの大きなテーマとします。
2023年はもう一度素材と生産者の尊敬の念をもって取り組もう、そして2024年はとにかくチョコレートを楽しもうというテーマで仕掛けています。
■最後にチョコを愛するチョコ愛区のユーザーに一言メッセージをお願いいたします。
-Toshi Yoroizukaにとってショコラとは、年々進化していくものだと考えています。今年の11月にエクアドルに行くので、いろいろな事をもう一度テコ入れしようかと思っています。
来年春には大規模にラボ、チョコレートの工場に手をいれようと思っています。そして2024年のテーマ「Let’s Enjoy chocolat!」でぜひチョコを楽しんでいきたいです。動画であったり、音楽であったり、さまざまなものを組み合わせてチョコレートの良さを楽しみたい。そして次の年にはもう一度チョコレートをディープに掘り下げてみたい気もしています。
毎年のバレンタイン時期、チョコレート漬けの中で編み出されるものがあるんですよね。そういった意味で自分なりに進化しているToshi Yoroizukaをぜひ楽しんでいただきたいのです。
バレンタインの期間は全国各地、最前線で立ちますので、その時に生の声を聞かせてほしいと思っています。要望であったり、こんなチョコレートを作ってほしいなどの声を寄せていただき、一緒になってみんなでチョコレートというものを盛り上げていきたいですね。
鎧塚シェフ、ありがとうございました。
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